音楽監督紹介

佐藤 寿一 (さとう じゅいち)

 仙台市生まれ。埼玉大学教養学部卒業。初め哲学コースで音楽美学を専攻するが、後、指揮に転向。指揮を小松一彦、高階正光、前田幸市郎の各氏に師事。これまでに、山形交響楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉(千葉交響楽団)、仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団などを指揮するほか、ハンガリーの国際バルトークフェスティバルにおいてサヴァリア交響楽団を、また日韓国民交流年記念事業として韓国ソウルのカンナム交響楽団を指揮し、高い評価を受けた。また、オペラの分野では東京室内歌劇場その他オペラの副指揮、指揮や文化庁主催・歌座『うたよみざる』公演の指揮兼打楽器などを務めた。モーツァルト作曲『フィガロの結婚』フンパーディンク作曲『ヘンゼルとグレーテル』林光作曲『あまんじゃくとうりこひめ』では指揮とともに演出も担当し好評を博した。

 2013年5月には、ニューヨーク・カーネギーホールで『第九』その他を指揮し、障がい者を含む日本からの合唱団と現地の合唱団・オーケストラが一体になった演奏は、満席の聴衆総立ちのスタンディングオベイションという熱狂を巻き起こす成功をおさめた。

 浦和フィルハーモニー管弦楽団においては1986年の創立以来、音楽監督としてともに活動を展開しており、2001年から2005年にかけて行われた「彩の国シューベルト・シリーズ」(シューベルトの交響曲全曲演奏プロジェクト/埼玉県芸術文化振興財団=諸井誠芸術総監督(当時)=制作)の指揮、2006年の浦和フィル創立20周年記念公演『カルメン』の指揮・台本・演出などが好評を得ている。またスクリャービン作曲『交響曲第一番《芸術賛歌》』を取り上げるなど世界的に演奏頻度の低い曲にも力を入れ、浦和フィル×佐藤寿一による歴史に埋もれた曲の発掘を〈セリエ“S”〉としてシリーズ化し、音楽史に新たな光を当てている。